今年の4月、勤めている書店で契約社員になった。
喜んでいた最中に、突然の兄の訃報。
驚きとともに、ただただ……涙が流れた。
何で、どうして?嘘でしょう。
何があったの?お兄ちゃん。
これは、きっと何かの間違い。帰ってくるよね?
最後に会ったのは、二年前の夏。
地元で暮らす予定で県外から帰ってきていた。
若い頃は細身の兄だったがそれなりに歳を重ね、少しふっくらしていて恥ずかしそうに笑っていた。
暫くして結局、こっちでは稼げないからとまた旅立ってしまった。
あの時、止めていればこうはならなかたっただろうか?
…今と違う未来があっただろうか?
後悔してももう遅い。
たとえ、止めたところで聞いてはくれなかったかもしれない。
それでも、何かできることがあったのではないだろうか?
尽きぬ後悔と喪失感、夜になると思い出す。
一緒に過ごした日々の幸せだった頃のこと。
兄が亡くなった本当の理由は今も分からない。
それでも、遺された者は❝今、この瞬間❞を生きていくしかない。
……暗い、昏い夜を乗り越えて。
私は、私たちは、後悔しながらも足掻いて生きていく。
もし、生まれ変わったら。
会いに来てね、お兄ちゃん。
大好きだよ。
ありがとう。